ニッタク製のハイテンションラバー「ファスタークG-1」のレビューです。
硬めの打球感でありながら、優れた回転性能とグリップ力で弧線を描きやすいニッタク製のテンションラバー。

本記事では、そんな「ファスタークG-1」を使って感じたメリット・デメリットをすべて正直にレビューします。
ファスタークG-1の評価 | |
---|---|
満足度 | ★★★★☆ |
回転量 | ★★★★☆ |
スピード | ★★★☆☆ |
飛距離 | ★★★☆☆ |
重さ | ★★★☆☆ |
寿命 | ★★★★☆ |
硬度 | ★★★☆☆ |
使いやすさ | ★★★★☆ |
結論から先に伝えると、ファスタークG-1は優れた回転性能をベースに、威力も出しやすいオールラウンドなラバーでした。
「回転量を増やしたい中級者以上の選手」や「台上技術の安定感を求める選手」にオススメできるラバーです。
目次
ファスタークG-1の基本情報
ファスタークG-1の基本情報は次のとおりです。
ファスタークG-1 基本情報 | |
---|---|
メーカー | ニッタク |
ラバーの種類 | 裏ソフト:ハイテンション |
スポンジ厚さ | 中 :1.4〜1.7 mm 厚 :1.7〜1.9 mm 得厚:1.9〜2.1 mm MAX:2.1 mm〜 |
カラー | 赤 黒 |
ファスタークG-1の性能をレビュー
ファスタークG-1を使って感じた性能について、レビューしていきます。
- ドライブ
- ブロック
- ツッツキ
- ストップ
- フリック・チキータ
- 流し
- カウンター
- スマッシュ
- サーブ
ドライブ性能をレビュー
前進回転に対するドライブ
- 回転量 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
- 飛距離 :★★★☆☆
下回転に対するドライブ
- 回転量 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
- 飛距離 :★★★☆☆
優れた回転性能をベースに、振り切ればスピードのあるドライブも打てるラバーに感じます。
ラバー性能で自動的に威力が出るのではなく、選手の技術力がドライブの威力に反映される印象です。角度やインパクトが適切でないと、前に飛ばず落ちることもあります。
引っかかりの強い回転重視のシートですが、強くインパクトすれば適度に食い込んでくれるため、威力のあるドライブが打てます。
前進回転に対するドライブは、打ち方次第で回転量とスピードを調整しやすいです。
下回転に対するドライブは、持ち上げやすく安定した軌道を作れます。ドライブ技術に不安のあるプレーヤーでも弧線を作りやすいでしょう。
気になる点としては、飛距離がやや出にくいこと。中陣から後陣に下がるとボールが浅くなり、相手にカウンターされる場面が増えました。
総じてドライブ技術全般で扱いやすく、幅広いレベル帯の選手にオススメできるラバーです。
選手の実力を引き出してくれるラバーだと感じました
ブロック性能をレビュー
- 安定感 :★★★☆☆
- スピード:★★★☆☆
- クセ球 :★★☆☆☆
標準的で、特別な使いにくさを感じないオーソドックスな性能と感じました。
粘着ラバーのような回転特化型のラバーでは、相手の回転の影響を受けやすくオーバーミスが増えるがちです。ファスタークG-1は回転性能が高いラバーでありながら、極端に回転の影響を受けるミスは起きにくいです。
回転を利用してかけ返すようなブロックもできる一方で、ミート系のブロックでスピードを出すことも可能です。
攻撃的なプレースタイルの選手が使う分には、十分なブロック性能を持っているラバーと言えるでしょう。
ブロック性能はオーソドックスで扱いやすいです
ツッツキ性能をレビュー
- 回転量 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
回転量の多い鋭いツッツキが可能です。
シートの引っかかりが強いため、薄く擦るような打ち方でも回転をかけられます。厚めに当てればスピードのあるツッツキで差し込めるため、多彩なツッツキの展開を作れるでしょう。
粘着ラバーほどの回転性能はないものの、テンションラバーの中ではトップクラスのツッツキ性能を持っているように感じます。
ブロックで振り回したい選手、カウンター展開を作りたい選手、ともにオススメできるラバーです。
テンションラバーの中では優れたツッツキ性能を持っていると感じました
ストップ性能をレビュー
- 回転量 :★★★★☆
- コントロール:★★★☆☆
ピッタリ止めるというよりも、回転をかけたストップがしやすいです。
シートのグリップが強いため、合わせるように薄く捉えるだけで自然と回転量の多いストップになります。
回転はかかりますが、意図せずボールが長くなり1バウンドで卓球台から出てしまうことも。短く止めるには、ラケットの角度やインパクトの強さを調整する技術が求められます。
回転量の多い切れたストップで返球できます
フリック・チキータ性能をレビュー
- 回転量 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
回転をかけやすく、安定性に優れていると感じました。
シートの引っかかりが強いため、回転系のフリックやチキータがやりやすいです。またスポンジがやや硬めであるため、ミート系のフリックも打ち分けられます。
高い技術力があれば、回転とスピードを両立した決定力の高いフリックを打てるポテンシャルもあるように思います。
自動的に威力が出るタイプのラバーではありませんが、使用者の技術や意図にしっかりと応えてくれるため、多彩なフリックができるラバーと言えるでしょう。
回転系のフリック技術が安定します
流し性能をレビュー
- 安定感:★★★☆☆
- 飛距離:★★★☆☆
流しに関しては、特にクセがなく使いやすいラバーです。
流しは相手の回転を利用する技術です。ファスタークG-1は回転の影響を過度に受けるラバーではないため、扱いにくさはないように思います。
流しの精度を高めるには相手の回転を見極める判断力が必要です。ファスタークG-1自体に流しのしやすさを大きく左右する特性はないため、技術力がそのまま反映されると感じました。
使いやすいですが、技術力がそのまま反映されます
カウンター性能をレビュー
- 安定感 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
スピードドライブとループドライブ、どちらに対しても安定性のあるカウンターが打てました。
スピードドライブに対しては、合わせるようにカウンターすると、弧線の軌道で返球できます。ミート系のカウンターもしやすく、コントロールしやすい印象を受けました。
回転量の多いループドライブに対しても、前にスイングすれば落ちずにカウンターできます。
打点を落とした中陣でのカウンターも、同じように捉えれば安定して返球可能です。ただし飛距離が出にくいため、浅くなりやすい点に注意が必要です。
全体的に、カウンターの安定感はテンションラバーの中でも優れた部類に感じました。特に前陣や中陣での攻撃的なカウンターを多用する選手にオススメできるラバーです。
ループドライブに対してもカウンターしやすいです
スマッシュ性能をレビュー
- 安定感 :★★★★☆
- スピード:★★★☆☆
コントロールとスピードの調整がしやすいです。
打球感が硬めであるため、弾くように打てば直線的でスピード重視のスマッシュが打てます。角度を調整すれば、スピードを抑えつつ回転をかけたスマッシュも可能です。
パワーがそれほどない選手でも、無理に強打せず回転をかけながら確実に決めにいく使い方もできます。
安定感がありスピードも調整しやすいため、パワーがない選手でも扱える使いやすさが魅力に感じました。
安定感がありスマッシュしやすいラバーです
サーブ性能をレビュー
- 回転量 :★★★★☆
- スピード :★★★☆☆
- コントロール:★★★☆☆
ショートサーブの回転をかけやすく、長さをコントロールしやすいです。
薄く擦るように打球すると、回転量の多い短いサーブを安定して出せます。
テンションラバーの場合、強く回転をかけようとすると意図せず長くなりがち。一方ファスタークG-1は強く当てなくても十分に回転をかけられるため、2バウンドで台に収めやすいです。
ロングサーブも適度なスピードが出ます。ショートサーブをメインに組み立てる選手は満足できる性能を備えていると感じました。
ショートサーブの回転量が魅力です
ファスタークG-1の重さ
カットした後のファスタークG-1 (スポンジ厚さ:特厚) の重さは47g。テンションラバーの中では、標準的な重さになります。
参考に過去私が使ってきたラバーの重さを比較します。ファスタークG-1の重さはテナジーシリーズ、ディグニクスシリーズと同程度でした。
ラバー名 | 重量 |
キョウヒョウプロ3ターボブルー (特厚) | 54g |
省チーム用キョウヒョウネオ3ブルースポンジ (2.1mm) | 49g |
テナジー05ハード (特厚) | 49g |
ディグニクス09C (特厚) | 48g |
ファスタークG-1 (特厚) | 47g |
テナジー80 (特厚) | 47g |
ディグニクス80 (特厚) | 45g |
ロゼナ (特厚) | 45g |
ファスタークG-1はテンションラバーの中でも標準的な重さに感じます
ファスタークG-1の寿命
ファスタークG-1の寿命は、50時間から80時間が目安。週2回、各2時間の練習時間の場合、およそ3ヶ月から5ヶ月です。
テンションラバーの中では比較的寿命が長いと感じました。性能が急激に落ちるわけではなく、徐々にシートの引っ掛かりが弱くなっていく印象があります。
20時間ほど使用しても、「粒が浮き出る」、「表面がさらさらになる」といった劣化の兆候は見られませんでした。

30時間を超えたあたりから、ラバー表面に跡が残るようになり、引っ掛かりの低下を感じるようになります。この頃から打球感が柔らかくなり、若干弾みが増すように感じました。
50時間ほど練習すると、回転性能が低下し、サーブやドライブで回転がかかりにくくなります。回転量を重視するならば、この時点で交換を検討した方が良いかも知れません。
80時間に到達すると、明らかに引っ掛かりが悪く回転量の低下を実感できます。元々のラバー性能との違いが明白なため、交換すべきタイミングでしょう。
50時間から80時間が交換の目安です
ファスタークG-1の硬度
ファスタークG-1はテンションラバーの中ではやや硬めに分類されると感じます。
硬い打球感ながら、厚く当てるドライブでは適度に食い込んで飛んでいくため、使いこなせれば威力のあるドライブを打てます。
シートの引っ掛かりが非常に良く、回転をかけやすいです。厚く当てたドライブだけでなく、擦るような打ち方でも強い回転を生み出せるでしょう。
加えてミート系の技術でも弾きやすく、スピードを出しやすいと感じました。
ただし初心者にとっては少々硬く、扱いが難しいかもしれません。ある程度基本技術が身についてきた中級者以上のプレーヤーにオススメです。
ニッタクの公式ページによると、ファスタークG-1のスポンジ硬度は37.5度。ファスタークシリーズの中で最も硬いラバーです。
他メーカーのラバーでは、テナジー05と同程度の硬さに感じられます。
テンションラバーの中では、やや硬めです
ファスタークG-1のメリット
ファスタークG-1を使って感じたメリットは次のとおりです。
- 回転性能が高く弧線を作りやすい
- 台上技術のコントロール性能が高い
- 寿命が長め
回転性能が高く弧線を作りやすい
ファスタークG-1の最大の特長は、回転性能の高さと弧線を作りやすい点です。
シートのグリップ力が強く、薄く擦るだけでもしっかりと回転がかかるため、スイングスピードが速くなくても安定したドライブが打てます。
厚く当ててスピードを出した場合でも、直線軌道ではなく弧線を描きながらコート内に収まります。
回転量と安定性が高いテンションラバーを求めている選手にとって、ファスタークG-1は扱いやすいラバーと感じるでしょう。
弧線を作りやすく、安定感があります
台上技術のコントロール性能が高い
台上技術のコントロール性能が優れています。
ボールを掴みやすいシートにより、回転量の多いツッツやストップが可能です。
打球感は硬めながらもシートの引っかかりが強いため、強いインパクトを出せなくてもフリックやチキータに回転がかかります。
台上プレーに自信がない選手には、ぜひ試してほしいラバーの一つです。
台上技術がコントロールしやすく感じます
寿命が長め
テンションラバーの中でも寿命が長めで、長期間安定したグリップ力を維持できる点が特長です。
使用時間の目安としては50時間から80時間程度。週2回、各2時間の練習であれば3ヶ月から5ヶ月ほど使用可能です。
ある時ラバー性能が急激に低下する、というよりは徐々に引っかかりが弱くなっていく印象を受けました。
値段も極端に高いラバーではないため、コストパフォーマンスを重視する方にとって、満足できる寿命の長さと言えるでしょう。
テンションラバーの中では、比較的寿命が長いです
ファスタークG-1のデメリット
ファスタークG-1のデメリットは次のとおりです。
- 飛距離が出にくい
- 威力を出すにはスイングスピードが必要
- 被せてスイングすると落ちる場合がある
- 打球感が硬めで、初心者には扱いづらい
飛距離が出にくい
バランスの良いファスタークG-1ですが、飛距離が出にくい点が気になりました。
回転性能が高く弧線を描きやすい一方で、卓球台の浅い位置にバウンドする場面が増えました。後陣に下がると飛距離が足りず、カウンターされやすいです。
前陣や中陣でのプレーが中心の選手にとっては、弧線を描きながら安定したドライブが打てるため、大きな問題にはならないと感じます。
卓球台から離れると、カウンターされやすいです
威力を出すにはスイングスピードが必要
高い威力を出すためにはスイングスピードが求められます。
打球感が硬めのラバーであるため、振り抜かないと十分に食い込まず威力が出ません。
スピードと回転を両立した強力なドライブを打つためには、選手自身の技術力が不可欠です。自動的に回転とスピードが出るようなラバーではなく、選手の技術力が反映されるラバーに感じます。
裏を返せば、技術次第で回転量とスピードを両立したドライブも打てるので、高いポテンシャルを秘めたラバーとも言えます。
回転とスピードを両立するドライブを打つには、技術力が必要です
被せてスイングすると落ちる場合がある
「どんな球質のボールに対しても、ラケットをかぶせて前に振れば入る」というラバーではありません。
例えばテナジーシリーズやディグニクスシリーズは、ボールの上を捉えれば自然と前に飛んでいきます。しかしファスタークG-1で同じようにスイングすると、ボールが落ちると感じるでしょう。
ボールの回転やスピードに応じて、適切なラケット角度や力加減を調整する必要があります。こうした細かい調整ができれば、ファスタークG-1の持つ回転性能や安定感を最大限に活かせます。
角度調整をしないと落ちます
打球感が硬めで、初心者には扱いづらい
打球感が硬めであり、初心者の方は扱いづらさを感じるかも知れません。
技術が未熟な段階では、十分にボールを掴めず回転をかけられない可能性が高いです。硬めのラバーは、適切なスイングスピードとインパクトがなければボールが食い込まないからです。
少なくともワンコースで下回転に対するドライブが安定するまでは、より柔らかめのラバーを選ぶ方が無難でしょう。
ドライブが打てるようになってからの使用をオススメします
ファスタークG-1の口コミ・評価
ファスタークG-1の口コミをXから集めました。
良い点としては、回転がかかる、使いやすい、という意見が目立ちます。一方で、飛距離が出ない、テナジーほどのオートマ感はなく落ちる、と感じる方もいるようです。
ファスタークG-1のいいところ
— りょ一さけ (@ryosake3) March 8, 2024
・硬すぎない
・開き気味で強打するとなんか大体入ってしまう
・レシーブしやすい
・打ち方考えなくていい分他のことに頭の容量を割ける
・威力結構ある
・トップラバーなのに割引でお手頃になる
ファスタークG-1MAX、打った感触はとても良かったです。
— モッティ (@zumotty_1988) October 23, 2021
ブロック、カウンターもやりやすく、対下も持ち上げやすい印象。
ループドライブに対しても回転喰らいにくい感じがしました🏓
ファスタークG-1はやっぱ回転かかるけど飛距離がなー
— ハーキー@趣味アカ (@r724takkyu) April 2, 2017
コスパ的にもそれならオメガVツアーDFでいいかってなる
ファスタークG-1のレビュー、評価まとめ
ファスタークG-1は回転性能の高さと、台上技術のコントロール性能に優れたラバーでした。
回転をかけやすい硬めのラバーを求める中級者以上の選手、台上技術のコントロール性能をを求める選手には、間違いなくオススメできるラバーです。
個人的な評価は以下のとおりです。
ファスタークG-1の評価 | |
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満足度 | ★★★★☆ |
回転量 | ★★★★☆ |
スピード | ★★★☆☆ |
飛距離 | ★★★☆☆ |
重さ | ★★★☆☆ |
寿命 | ★★★★☆ |
硬度 | ★★★☆☆ |
使いやすさ | ★★★★☆ |
気になる方は一度使ってみてください!