【レビュー】卓球ラバーロゼナに合うラケット、寿命を徹底検証【バタフライ】

バタフライ製のハイテンションラバー「ロゼナ」のレビューです。

テナジーシリーズで使われた「スプリングスポンジ」をベースに、扱いやすさを重視したテンションラバー。

本記事では、そんな「ロゼナ」を使って感じたメリット・デメリットをすべて正直にレビューします。

ロゼナに合うラケットを知りたい方は、記事後半で解説しています。

ロゼナの基本情報

ロゼナの基本情報は次のとおりです。

ロゼナの性能をレビュー

以下の技術について、それぞれ詳しくレビューしていきます。

ドライブ性能をレビュー

食い込みが良く、安定した回転量とスピードのドライブを打てる点が特長です。

特に前進回転のボールに対しては、軽く当てるだけで自然に食い込み回転がかかるため、一定の回転量とスピードで安定したドライブが可能になります。

安定性に優れた反面、極端な回転量やスピードは出しにくいです。卓球台から距離を取ると威力が出ないため、カウンターを受けやすくなります。

前陣から中陣でのプレーに適したラバーと言えるでしょう。

ドライブで回転をかける技術を身に着けたい初心者から中級者にオススメできるラバーです。

ブロック性能をレビュー

ロゼナでのブロックは抜群に安定します。

柔らかいスポンジと優れたコントロール性能により、威力ある攻撃に対してもオーバーミスをせず、しっかりと台に収められます。

柔らかい打球感ながら、弾くように捉えればある程度のスピードを出すことも可能です。

ブロックの安定性を高めたい選手にとって、満足できる性能を備えたラバーと言えるでしょう。

ツッツキ性能をレビュー

際立った性能があるわけではありませんが、回転量・スピード・コントロールのバランスが優れています。

相手をツッツキだけで崩すほどの強烈な回転はかけにくいものの、一定の回転量とスピードを維持したツッツキが安定して出せます。

ツッツキの質を極端に高めるラバーではありませんが、安定感を求めるプレーヤーには十分な性能を発揮するでしょう。

ストップ性能をレビュー

ストップに優れたラバーではありませんが、標準的な性能は備えています。

ロゼナの強みは、スポンジの食い込みによる安定感です。ストップのようにシート表面でボールを捉える技術では、その強みを活かしにくいと感じます。

特別ストップしやすいラバーではありませんが、他のテンションラバーでストップできる技術力があれば問題なく扱えるはずです。

フリック・チキータ性能をレビュー

スピードこそ出にくいものの、回転がかけやすく安定しやすいです。

フリックやチキータを安定させるには、本来高い技術力が要求されます。台上でのコンパクトなスイングで、インパクトを出す必要があるからです。

回転をかけるフィーリングを養いやすく、フリック系技術の上達をサポートしてくれるラバーであることは間違いありません。

流し性能をレビュー

ロゼナの流し性能は、オーソドックスな性能に感じました。

流しは自分から回転をかけるのではなく、相手の回転に逆らわず利用する技術です。ラバーの食い込みや弾みよりも、シートのコントロール性能が重要になります。

とは言えシート自体のコントロール性能も、テンションラバーの中では良好な部類に入るでしょう。

大きなアドバンテージがあるわけではありませんが、やりにくさを感じることもなく、問題なく使用できるラバーと言えます。

カウンター性能をレビュー

前陣でのスピード系ドライブに対するカウンターが安定しやすい一方で、回転量の多いループドライブへのカウンターは難易度が高いと感じます。

スピード系のドライブに対しては、威力を利用すればある程度の角度調整で安定したカウンターが可能となります。

滑らないように面を出しつつオーバーミスしないためには、細かい角度調整が求められるでしょう。

スマッシュ性能をレビュー

スピードこそ出にくいものの、安定感のあるスマッシュが打てます。

ラバーが柔らかくコントロール性能が優れているため、一発で決めるようなスマッシュは難しいです。その分オーバーミスは減るように感じました。

一方でロビングやフィッシュが得意な相手には、コースを狙って打たないと返される可能性が高いです。落ち着いてコースを狙う技術も必要になります。

サーブ性能をレビュー

回転量、スピードともに標準的なテンションラバーの性能です。

ロングサーブのコントロール性能が高く、狙ったコースに安定してサーブを打てます。

ある程度回転をかける技術があれば問題なく扱える範囲でしょう。しかし初心者の場合は意図せずサーブが長くなり、相手に強打されるリスクがあるため注意が必要です。

サーブの回転量を武器にしていないのであれば、気にせず使えると感じました。

ロゼナの重さ

ロゼナ (スポンジ厚さ：特厚) のカット後の重さは45g。テンションラバーの中では、比較的軽い部類に入ります。

以下にラバー重さの比較表を作りました。その他のラバーを比べても、ロゼナは軽いことが分かります。

ラバー名	重量
キョウヒョウプロ3ターボブルー (特厚)	54g
省チーム用キョウヒョウネオ3ブルースポンジ (2.1mm)	49g
テナジー05ハード (特厚)	49g
ディグニクス09C (特厚)	48g
テナジー80 (特厚)	47g
ディグニクス80 (特厚)	45g
ロゼナ (特厚)	45g

ロゼナの寿命

ロゼナの寿命は、40時間から70時間が目安になるでしょう。週2回、各2時間ほどの練習量だと、3ヶ月から4ヶ月の間使えます。

特筆すべき点は40時間を超えたあたりでの急激な性能劣化です。「ロゼナの寿命が短い」と言われる理由は、これが原因に思います。

柔らかいラバーのため、ドライブのように強くインパクトする技術ならば、食い込みやすく影響が少ないです。しかしながら、サーブや台上技術では引っかかりが悪くなり、回転量低下の影響を実感しました。

とは言え、元々コントロール性能に優れたラバーなので、40時間を超えても前進回転のラリー自体は大きな問題を感じません。回転量を気にしなければ、70時間程度までは使用可能です。

ロゼナの硬度

ロゼナは、柔らかめの打球感が特徴のラバー。バタフライのカタログによると、スポンジ硬度は35です。

手で触れた際には極端に柔らかい印象はありませんが、実際に打球すると想像以上に食い込みの良さを感じます。強くスイングしなくても自然にボールが食い込み、回転がかかる感覚を得られます。

バタフライ製のテンションラバーと比較しても、柔らかいことが分かります。 (下図参照)

ラバー名	スポンジ硬度 (参考：バタフライ公式ページ)
ディグニクス09C	44
ディグニクス05	40
グレイザー	38
ロゼナ	35
テナジー05FX	32

柔らかいスポンジの特性上、弾みは若干抑えられています。インパクトの強い上級者が使用するとスピード性能に物足りなさを感じるかもしれません。

スイングスピードを出せない初心者から中級者の方にオススメできる硬さのラバーです。

ロゼナのメリット

ロゼナを使って感じたメリットは次のとおりです。

食い込みがよく、スイングスピードがなくても回転をかけやすい

スイングスピードが速くなくても回転をかけやすく、安定したドライブを打てます。

ロゼナに使用されているスポンジ性能が優れており、ボールが自然に食い込むからです。

バックハンドで回転がかけられない選手やフリックが安定しない選手でも、回転をかけやすく安定するはずです。

ブロックの安定感が増す

ロゼナを使って感じた一番驚いたのが、ブロックに対する安心感です。

スピードが速く、回転量の多いボールに対して、オーバーミスせずに台に収められる感覚があります。

ミスが減る分コースを突いたブロックもしやすくなり、ブロックからの展開も作りやすいと感じました。

攻撃を確実にブロックし、ラリーに持ち込みたい選手にオススメできるラバーです。

軽い重量

テナジーシリーズやディグニクスシリーズと比較して重量が軽く、扱いやすいです。

ラバーの重さは「ラケットの振り遅れ」や「疲労の蓄積」と関係します。特に卓球台に近い前陣でプレーする選手は、わずかな振り遅れがミスの原因になります。

そのためロゼナは、筋力が少ない選手や前陣で勝負する選手にとってメリットがあるラバーと言えるでしょう。

ロゼナのデメリット

ロゼナのデメリットは次のとおりです。

回転量、スピードに特化しきれない

回転量、スピードのバランスが良い一方で、各性能に特化したラバーには及ばない部分があると感じます。

回転量でミスを誘う選手、一発で打ち抜くタイプの選手は、物足りない印象を持つかもしれません。

飛距離が出にくいため、カウンターされやすい

ドライブの飛距離が出にくいため、カウンターされやすいラバーに思います。

安定した軌道を作りやすいですが、卓球台の浅い位置にバウンドしがち。実際に使った印象として、カウンターに捕まりやすくなりました。

寿命が短め

40時間ほど使用した後、急激に性能が低下する印象を受けました。

他のラバーでも40時間ほど利用すると回転性能が落ちてくるのですが、ロゼナは落差が大きいように思います。

寿命は短めですが、バタフライのテンションラバーの中では価格設定は安めです。結果的に大きな負担になりにくいと感じました。

ロゼナに合うラケット

ロゼナの特性を活かすために、適したラケットを紹介します。

水谷隼メジャー【バタフライ】

これから基礎を身につけたい初心者にオススメするラケットが「水谷隼メジャー」です。

元日本代表の水谷隼選手が「卓球を楽しんでもらえるよう、上達を後押ししたい」という思いで監修したラケットです。

『ロゼナ』は、このラケットに組み合わせるラバーとしてお勧めです。できれば最初から『ロゼナ』を使ってほしいですね。「回転をかけやすい」「微妙なラケット角度やスイング方向の誤差を補い、プレーに安定感を生み出す」など、初心者の上達を後押しできるラバーだからです。 この組み合わせは、使いやすさを重視して弾みを抑えながらも、中陣でのドライブの引き合いもできるような弾みを持つ用具となっています。皆さんの上達を楽しみにしています！”——水谷隼

出典：初級者向け／シェークのおすすめ組み合わせ | バタフライ

コントロール性能に優れた５枚合板で、上達を強烈にサポートしてくれるラケットです。

シェーク、中国式ペンそれぞれ用意されています。値段の手頃さも嬉しいポイントですね。

両面ロゼナを貼り付けたセット商品もあります。ラバー貼りに慣れていない方は、プロに任せられるこちらの商品がオススメです。

メイスアドバンス【バタフライ】

基本技術を一通り身につけた方が、さらなるレベルアップを目指すのに適したラケットが「メイスアドバンス」です。

5枚合板の木材ラケットで、重量は約80gと軽量ながら適度な弾みとコントロール性能のバランスが取れています。

軽量で扱いやすいため、ジュニア選手や女子選手にもオススメできるラケットです。

インナーフォースレイヤーALC【バタフライ】

安定感に加え、要所で威力を出したい選手にオススメするラケットが「インナーフォースレイヤーALC」です。

球持ちが良く回転性能に優れたアリレートカーボンをラケットの内側に配置しているため、強い弾みを持ちながらコントロール性能と回転性能を兼ね備えています。

しかしインナーフォースレイヤーALCは、特殊素材入りラケットの中でも球持ちが良く、回転をかけやすいタイプです。

このインナーフォースレイヤーALCにロゼナを組み合わせることで、食い込みやすいロゼナの特性がラケットの打球感の硬さを補います。

木材ラケットでは弾みが物足りないと感じている方は、インナーフォースレイヤーALCとロゼナの組み合わせにより、安定感を維持しながら威力アップにつながるでしょう。

ロゼナの口コミ・評価

ロゼナの口コミをXから集めました。

「使いやすい」「柔らかい」という意見が多い印象を受けます。ただし、寿命が短いという意見もあるようです。

ロゼナは初心者には超おすすめ。ラバーの中じゃ安めだし尖ってないから使いやすい

— コンポタ (@H2gaoK) September 6, 2024

ロゼナは食い込みがいい感じなのでバックには最適でしたね！👍

— ま (@flame_h12) June 8, 2018

ロゼナ使い心地めちゃくちゃ気に入ってるんだけど、寿命短すぎる。
ドライブはまだ打てるけど、ブロックが全部滑り落ちて話にならんのよなぁ。

— ちゃけ (@bugaryu) November 25, 2023

ロゼナのレビュー、評価まとめ

ロゼナは柔らかい打球感によるコントロール性能の良さと、コストパフォーマンスに優れた使いやすいラバーでした。

コントロール性能が高いラバーを求める初心者から技術力を高めたい中級者まで、幅広い選手にオススメします。

個人的な評価は以下のとおりです。

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